商標登録・商標出願の相談|弁護士・税理士 岩本尚光|調査・出願から侵害対応まで一つの窓口で
商標の費用の経理と税務
出願費用は資産か経費か。登録料や更新料、ライセンス料、補助金はどう処理するのか。税理士でもある弁護士が、商標にかかるお金の扱いをまとめました。
Worriesこんなときに読んでください
出願費用を払った。経費にしてよいのか
商標権は無形固定資産で、取得にかかった費用は原則として資産に計上し、10年で償却します。ただし金額によっては一括で経費にできます。
出願中に決算が来た。まだ登録されていない
登録前の支出は仮勘定(建設仮勘定に準じた勘定や前払金)で持ち、登録時に商標権へ振り替えるのが一般的です。
他社に商標を使わせて使用料を受け取る
ライセンス料は課税売上で、消費税10%がかかります。契約書で税込・税別を明記しておくと後の争いを避けられます。
補助金をもらった。税金はかかるのか
補助金は収入になります。資産の取得に充てた場合は圧縮記帳が使えることがあります。
Basics商標権の経理処理の基本
無形固定資産・耐用年数10年・定額法
商標権は税法上の無形固定資産で、耐用年数は10年、償却方法は定額法です。登録した月から月割りで償却を始めます。残存価額はゼロで、10年かけて全額を費用化します。更新しても取得価額は増えません。
取得価額に含めるもの
特許庁に納めた印紙代(出願料・登録料)と、出願・登録に要した弁護士費用を取得価額に含めるのが一般的です。調査費用は、出願につながった場合は取得価額に含め、つながらなかった場合は経費にする例が多いです。
少額の場合の一括経費
取得価額が10万円未満なら、支出時に一括で経費(損金)にできます。中小企業(資本金1億円以下など)は、30万円未満のものを年300万円まで一括で損金にできる特例があります。1区分の出願・登録なら、合計が30万円未満に収まることが多く、この特例を使う例が多いです。金額は事案で変わります。

Flow出願から登録までの処理の流れ
- 出願時(印紙代・弁護士費用の支払い)
登録されるかどうかが決まっていないため、仮勘定(「商標権仮勘定」「前払金」など)に計上するのが一般的です。消費税は、弁護士費用には10%がかかり、印紙代(特許庁の手数料)は不課税です。
- 登録時(登録料の納付)
登録料を納めて登録されたら、仮勘定の金額と登録料・登録時の弁護士費用を合わせて「商標権」に振り替え、登録月から償却を始めます。30万円未満なら少額特例で一括損金も選べます。
- 登録に至らなかったとき
拒絶査定が確定したとき、または取り下げたときに、仮勘定を経費(損金)に振り替えます。
- 更新時(10年ごと)
更新登録料と更新の弁護士費用は、新たな資産ではなく、支出した期の経費として処理するのが一般的です。
Journal仕訳の例
| 取引 | 仕訳の例 |
|---|---|
| 出願時:印紙代12,000円と弁護士費用55,000円(税込)を支払った | (借方)商標権仮勘定 62,000/仮払消費税 5,000 (貸方)現金預金 67,000 |
| 登録時:登録料32,900円と登録時報酬33,000円(税込)を支払い、商標権に振り替えた | (借方)商標権 125,900/仮払消費税 3,000 (貸方)商標権仮勘定 62,000/現金預金 65,900 |
| 決算時:商標権125,900円を10年の定額法で償却(登録から12か月の場合) | (借方)商標権償却 12,590 (貸方)商標権 12,590 |
| 少額特例を使う場合:登録時に全額を損金処理 | (借方)消耗品費(または商標権償却) 125,900 (貸方)商標権 125,900 |
| 更新時:更新登録料43,600円と弁護士費用22,000円(税込) | (借方)支払手数料 63,600/仮払消費税 2,000 (貸方)現金預金 65,600 |
| ライセンス料の受取:月額110,000円(税込) | (借方)現金預金 110,000 (貸方)受取使用料 100,000/仮受消費税 10,000 |
| 海外の権利者へ使用料を支払う場合(源泉20.42%の例) | (借方)支払使用料 100,000 (貸方)現金預金 79,580/預り金 20,420(租税条約で変わる) |
金額は1区分の文字商標を例にした目安で、仕訳の勘定科目は会社の方針によって異なります。特許庁の手数料は2026年11月時点のもので、改定されることがあります。最新の金額は特許庁のサイトで確認できます。 税務の処理は事業年度・事業規模・適用する特例によって変わるため、個別の事案については相談の中でご確認ください。
Topicsライセンス・譲渡・補助金の処理
ライセンス料の収入と支払い
受け取るライセンス料は課税売上で消費税10%がかかります。支払う側は経費(損金)で、消費税は仕入税額控除の対象です。国内の法人間では源泉徴収はありません。契約書に税込・税別、支払時期、最低使用料を明記します。
海外との使用料
海外の権利者に支払う使用料は、源泉徴収の対象になることがあります(租税条約で軽減・免除される国もあり、届出が必要)。海外から受け取る使用料も、相手国で源泉される場合があり、外国税額控除を検討します。
商標権を譲渡したとき
譲渡価額と未償却残高の差が売却益(または売却損)になります。個人事業の場合は譲渡所得として扱われることが一般的です。国内の譲渡は消費税の課税取引です。会社の設立に伴って個人から法人へ移す場合は、時価での取引になるため、金額の決め方を事前に確認します。
補助金の収入
INPIT・自治体の出願費用の補助、小規模事業者持続化補助金などは、受け取った期の収入(益金)で、消費税は不課税です。資産の取得に充てた補助金は圧縮記帳で課税を繰り延べられることがあります。制度は年度により異なります。
Supportご相談について
- 初回相談は60分無料です(2回目以降は30分5,500円・税込)。商標の簡易調査は初回相談の中で行い、費用はかかりません。出願は1区分55,000円(税込)+特許庁の印紙代からの定額で、ご依頼の前に費用を書面でお示しします。
- 弁護士が、商標の調査・出願から、拒絶理由通知への対応、登録後の更新、他社の模倣への警告・交渉・訴訟、ライセンス契約までを一つの窓口で扱います。税理士として、商標にかかった費用の経理処理もお答えします。
- 全国からオンライン(Zoom)・電話・メールで相談と依頼ができます。特許庁への手続きはオンラインで行うため、来所は不要です。
FAQ商標の経理・税務についてよくある質問
出願したのに登録されなかった費用はどうなりますか
登録料を5年分割で納めた場合の処理は
個人事業でも同じ処理ですか
海外の会社に商標の使用料を支払います。源泉徴収は必要ですか
補助金で出願費用の一部をもらいました。どう処理しますか
商標の手続きと、そのお金の処理を、同じ場で相談できます
出願の相談のときに、資産計上か一括経費か、補助金が使えるかまで一緒にお答えします。顧問税理士がいる場合は、その方と連携して処理方針を揃えます。初回相談は60分無料です(2回目以降は30分5,500円・税込)。商標の簡易調査は初回相談の中で行い、費用はかかりません。出願は1区分55,000円(税込)+特許庁の印紙代からの定額で、ご依頼の前に費用を書面でお示しします。
初回相談は60分無料です(2回目以降は30分5,500円・税込)。商標の簡易調査は初回相談の中で行い、費用はかかりません。出願は1区分55,000円(税込)+特許庁の印紙代からの定額で、ご依頼の前に費用を書面でお示しします。全国からオンライン(Zoom)・電話で相談できます。事務所:静岡市葵区伝馬町9-7 塚本ビル5階A(JR静岡駅から徒歩約5分)。